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宝塚歌劇団についてひたすら書くよ

【スカステ】【花組】「はいからさんが通る」感想 その1(全体の感想)。青い時代だからこそ出来る作品だなと感じる

祝!スカステ放送!「はいからさんが通る」。
当時チケット難がすさまじく、当然のごとくコネもツテもない私はチケットを取ることができなかったので、円盤化orスカステ放送待ちとなりました。

てっきり先に円盤化するかと思っていましたが、予想外の半年後スカステ放映が!
とはいえ、観たいと思っていた作品を観ることができたので、自分勝手な感想を書いていきたいと思います!

ちなみに原作は、名前とアニメのOPのワンフレーズのみ知っているくらいで、詳しい内容は知りません。
なので感想の中で「ここは原作でこうなってるから合ってるの!」と思われる部分もあるかもしれません、申し訳ありません。

また、内容にかなり触れていますので、未見の方でネタバレが苦手な方はオススメできません。ごめんなさい。

 

 全体的な感想

青いな…という。これは悪い意味ではありません。
まだまだこれから伸びていくであろう「柚香光」という存在と、「華優希」という存在。どちらも青いからこそのインパクトを残した作品だと思います。

個人的に、明日海りおさん主演の「アリスの恋人」を思い出しました。
この作品も小柳奈穂子先生脚本・演出で、現月組トップ娘役愛希れいかさんが男役から娘役に転向して、初めての主演娘役となる作品でもありました。
また、明日海りおさんも単独バウ初主演、かつ初東上作品ということで、青さが残りながらも、若い学年であるからこそのパワーやキラメキで素晴らしい作品となっていました(正直一番好きな作品がこれです)。それを思い出させる「青さ」でした。

その青さを支えるベテランの演技にも拍手をしたい気持ちです。
青江冬星役の鳳月杏さんをはじめ、粋な芸者を演じてくれた桜咲彩花さん、芸達者な天真みちるさん、鞠花ゆめさん、の活躍は言うまでもなく。
若手ながらも光る城妃美伶ちゃん(彼女を若手と書くのは少々抵抗がありますが…学年的に若いので)、矢吹世奈ちゃん、聖乃あすかちゃんも特筆すべきものがあると思います。

それぞれのキャストの感想で書いてしまっている部分もあるので、内容は薄いですが一幕・二幕それぞれの感想もさらっと書いていきます。

…さらっとと思ってましたがクソ長くなりました。ひええ。
ひとつにまとめるつもりでしたが、キャスト個別で書きたいことはまた改めて書きます…。

第一幕の感想

主人公二人の出会いから、伊集院忍のシベリア出兵まで。
コメディ色が強い内容となっており、忍と愛のない結婚はしたくない!とどうにか破談にしたい紅緒の可愛らしい空回りがメインの内容となっています。

女学校の同級生である環さんや、幼馴染の蘭丸を巻き込んでの大騒動。
酔っ払ってすみれ組の皆さんに絡んだり、印念中佐にお酒をぶっかけたり、園遊会でお皿を男らしく割るなどかなり破天荒なことをしていますが、「どうして紅緒がそんなことをするのか」がわかりやすく伝わっているため、「スゴイことしてんなあ」とは思いますが、疑問等はなくスッキリ感あり。

結婚するのがイヤだからと、蘭丸くんと駆け落ちしちゃう行動力もいいですね。
蘭丸くんの方がダメになっているのも可愛い。
牛五郎を子分にするところ(勝手になるところ、の方が正しいですね)もおきゃんなはいからさんらしくて、とってもいい感じ。衣装もころころ変わって可愛いし(もんぺかわいい…)。

一幕はほぼほぼ「紅緒さんが面白い」というイメージで、華ちゃんのくるくる変わる表情を楽しんでいました。ストーリー的に大きく進む部分はあんまりないので…。

変わるのは、吉次さんのお店で印念中佐が出てくるところでしょうか。
軍人だからって偉そうに!と頭からお酒をぶっかけることで顔を覚えられ、前々から多少ロン毛なことが気に入らなかった忍に痛い目を見せてやろう!と悪だくみをされます。

…と書くと非常にライトな印象ですが、突然親の仇を取られたかのような呪いっぷりに少々びっくりしました。
まだまだ女性が進出できない(しない)時代、紅緒さんのような女性は珍しいですから、軍人という立場である中佐にとっては目の敵となっても仕方ないですし、さらにお酒までかけられたのですから侮辱された!と怒っても仕方ないと思います。

しかしそれだけで人生ぶっ壊してやる~!となるくらいまでヒートアップする必要あるのか…?と思ってしまいました。よく出世できたな、みたいな。
矢吹世奈ちゃんの演技は評判通り素敵だっただけに、このへんもうちょっと掘り下げてほしかったなあ…という気持ちが残ります。 

その後、印念中佐の策略どおりに忍は出兵、シベリアへ。
そこでマイティー演じる鬼島軍曹と出会い、写真では可愛くない紅緒さんを紹介するなどして仲良くするわけですが、忍率いる小隊は囮扱いで切り捨てられてしまいます。ランボーかな。

全員で帰ると決意した忍、撤退戦をする中で鬼島が負傷。彼を助けるために忍だけが引き返し、負傷してしまいます。

結構ほのぼのな流れで来ていて、不器用ながらも紅緒さんと忍が心を通わせた矢先の出兵。そして、忍は遺体もなく行方不明に…。

紅緒さんと忍は婚約のみの関係ではありましたが、伊集院家を守って欲しいという忍の言葉を受け、母の形見の白い喪服で「伊集院家を守る」と宣言、ここまでが一幕です。

芯の強い紅緒さんは態度が一貫していて見ていて気持ちがよいです。
ここでやっと登場!という感じのマイティーですが、登場の遅さを感じさせない存在感は流石。そして同期の並びはやっぱりいいですね…。

++++++++++

一幕は蘭丸くんが格好いいな~と思って見てました。紅緒さんが大好きな彼は、そばにいて彼女を守ってあげようとする。
対して一幕の忍はなにかあっても見ているだけで、事後に「大丈夫ですか!」って来ることが多くて、そんだけ属性盛ってるのにな~と思ってしまったり。

育ちがいい故の優柔不断みたいな感じなのでしょうか、確かにスマートなのですが、あんまりパンチがないんですよね(まあ周りがパンチ力高すぎるんだけど)。
だからこそ、蘭丸くんが忍に向かって啖呵を切った時は「そうよね!」と思っちゃいました。

表情もなんというか、いい子・いい青年でいたいような感じで、あまり感情の深くまで見えてこないような感じだったので…いい人なのはわかるんですけどね。吉次さんを助けていたり。

吉次さんと言えば、亡くなった旦那さん(の写真)はりおちゃんなんですよね。映らないかな~と思ってましたが、さすがに映らなかった…。

個人的に泣けたシーンは、紅緒が伊集院家を出て、花村家に帰るところです。
お父様が「一度家から出したのだから、帰ってくることは許さない」とお母様の形見の白い喪服を渡すところですね。

特段ここは泣くところではないとは思うんですけど、るなちゃんの演技が素敵でほろりと来てしまいました。特別嫁に出す子供もいませんし、父親でもありませんが。

第二幕の感想

一幕から一転、シリアスな内容が多くなります。
社会の傾向も変わり、女性の進出が増えてきた時代。オープニングの美伶ちゃんが可愛いです(大事)。
行方不明になった忍を探すため、そして伊集院家を支えるために「冗談社」で働きたいという紅緒と、忍の恋のライバルとなる、編集長青江冬星との出会い。

ロシアから亡命してきた、忍と瓜二つのミハイロフ侯爵の正体は?…と、かなりのジェットコースターな内容になります。

場面転換等多いものの見やすく、話の内容も気になる部分が多いこともあって、二幕の方が楽しめました。

特に個人的な好みで鳳月杏さん演じる青江冬星さんはとてもよかったです。脚なげ~。
寝ている時はちょっとヤマネちゃんを思い出しました。あの子も寝てたな~。

彼も紅緒さんに感化されて変わっていく人間の一人ですが、その心の機敏は納得できるものでかつわかりやすく、「そりゃ好きになるよね~」と同意出来るもの。

対して、環さんが鬼島さんを好きになる部分(理由付け)がバッサリカットされているので、そのへんはちょっと残念だな…と。忍とタイプ全然ちゃうよね!?
でもまあ、紅緒ちゃんをミハイロフ侯爵に会わせてあげよう!という協力関係にありましたから、その中でホレてもおかしくはないのでここは文句をつけるところではないかな~という感じです。

二幕は記憶を取り戻した忍が、ラリサという自分の命を救ってくれた女性と、心から愛している紅緒さんとの天秤…といっていいのかあれですが、まあ二人の女性の間で揺れ動きます(心は動いてないですけど)。

一幕に比べて表情はぐっと増えて、人間らしさを感じます。これこれこれが見たかったんだよ~~~!!

…とはいえ、これまた少々優柔不断な選択をしてしまうわけですね。
忍の気持ちはよくわかります。命の恩人で、さらに結核でもうその生命は短くない。だからこそ、自分が代わりであってもそばにいてあげたほうがいいのではないか…と。
多分彼は非常に優しく包容力がある男性なのでしょう(だから最終的に紅緒さんも好きになったんだと思う)。だけどそれが弱さになることもあるって感じでしょうか…。

まあそんなことしてたら横からもらっていくで~!と冬星さんが発破かけにくるわけですが。そりゃそうだ。
この時にれいちゃんが思いっきり敵意むき出しの顔で睨むわけですが…これだよこれ~~!!

私はスカしている演技のれいちゃんより、がつっと感情(激情?)が入った演技のれいちゃんが好きなので、このときの顔がめっちゃ好きです。

反政府の文書を持っていたとして逮捕されてしまった紅緒さんを助けるために、忍も動き出します。軍服で。

これ、原作でも軍服で行動されているのかもしれませんが、折角なので…折角なので別のお衣装を用意してあげることはできなかったのでしょうか…。

確かにアイコン的に「軍服=忍」なんですけど、あまりにも軍服ばかりではないでしょうか…。折角の主演なのにお衣装変えあんまりなかったよね(記憶喪失ターンで結構取られてたからかなあ)。

そして反政府レジスタンスには降格されてしまった印念中佐が!
まとめて始末されそうに!しかし二人で協力して乗り切る!と思ったら刺される忍!命大事にして!!!!!

印念中佐との因縁(因縁というミーニングなのでしょうか…)もなくなり、紅緒さんは無事に釈放されます。忍と再会するものの、事情を知った紅緒さんは身を引く形に…。

そして冬星さんと紅緒さんの結婚式の日、関東大震災が発生。
蘭丸くんが中にいると思った紅緒さんは、崩れ落ちる教会の中、彼を探しに行きます。
しかし彼は見つからず、逃げることもできない…そこに現れる累計3回目の命を取り戻した伊集院忍(軍服)。

大震災が起きた時、心から愛している人を失う悲しみによって抜け殻になりそうだった忍を庇って、ラリサは命を落とします。ここの「やっとあなたの役に立てた」というセリフも切ないですね…。

言い方は悪いですが二人の間に障害がなくなり、改めて結ばれる二人。With冬星さんとの殴り合い。

想像がつきつつも、ほっこりできるラストで観たあとは「楽しかったな~」と思える作品でした。