anthocyanin*

宝塚歌劇団についてひたすら書くよ

【花組】ポーの一族のライブビューイングを観てきました

去る3月25日の日曜日、東京宝塚劇場で公演されていました「ポーの一族」の千秋楽を、ライブビューイングで観てきました。

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宝塚はありがたいことに本公演の千秋楽を全国各地の映画館でやってくれるので、チケットが取れない中でも更に取れない千秋楽の公演を、近くで(多少安価で)観ることが出来ます。

とはいうものの、やはりライブビューイングは生の舞台ではないですし、自分が注目したい部分に注目できない(カメラの意思に沿うしかない)ので、生で観たかったな~!と思ってしまうわけですが。

と、グチはこの辺にして。ひとつに纏めてしまったので、かなりの長文です…。短くまとめるという才能を伸ばさなければ。

 

宝塚大劇場で2月3日に観たのが最後でしたので、約2ヶ月ぶりの鑑賞となりました。宝塚で作り上げたものが更にブラッシュアップされて東京で演じられるわけですが、もともとクオリティがとても高いものだったのをさらに上げるのは大変だったと素人ながら思います。

しかしこう、出来ているわけですよね。
エドガーは人間とバンパネラの差がかなり大きくなっていました。振れ幅とでも言うのでしょうか…もちろん宝塚の時から振れ幅は大きかったわけですが、さらに「わかりやすく」なったと言うべきでしょうか。
バンパネラとしての冷酷な一面を出すときは声のトーンをかなり低めに取っていましたが、人間として振る舞うときは宝塚よりも高めになっているのでは?と感じるほど。

また、舞台は生物なのでその日によって演者から受ける感情は違うわけですが、私はこの日のエドガーからは「寂寥感」を感じました。すごく寂しがっていて愛を求めている印象で…。その分、バンパネラとして動く時の怖さ、冷たさのギャップを大きく感じたのだと思います。
あと、コンタクトの色薄くなかったですか…?何種類ものコンタクトを気分によってつけてらっしゃるので違って当然なのですが、自分が観劇したときよりもっと薄く見えたのもあり、さらに「人ならざるもの」感が出ていました。
ただちょっと声がつらそうなところもあり、喉を痛めていたというお話もありましたので、心配ですね…しっかり休んでいただきたいです。

アランは寂しいというよりとても「怒り」を感じました。今の状態がとってもイヤなんだろうな、どうにかしたいけど出来ない、やりどころのない憤りのようなものが強く出ているな…と。
なので、エドガーに血を吸われて「願わくば」を歌っている時のれいちゃんが可哀想過ぎて…やっぱこの子一番不幸では…。

シーラは相変わらず美しい。しかし、本当に細かく様々な表情をしていて(これは彼女だけではありませんが)、本当に上手いなあと心から思います。
降霊術会に参加すると男爵が言ったときに「えっ参加するの…?ちょっと、大丈夫かしら」みたいな不安な表情をしていたんですね、アップで抜かれて初めて知りました(遅)。
相変わらずクリフォードに噛み付こうとする表情は絶品です。美しい!

リーベル!メリーベルは書かなければ。
彼女は東京に行ってぐっと大人になりましたね。ただ守られるだけの女の子ではない、強さを感じます。実は原作でもメリーベルって結構イケイケな部分があるというか、記憶を失くしたエドガーを助けるときも結構大胆なことをしてるんですよね。
可憐な少女のまま、でも芯はしっかりとしたまま大人になり美しいメリーベル。本当に可愛かったです。

他のキャスト陣も素晴らしかったので書きたいことは多いのですが…長くなりすぎるので箇条書きで…。

執事役のまいこつ(紅羽真希ちゃん)、相変わらずいいです。いぶし銀です。アランは本当に孤独ですが、でも彼はアランのことを本当に心配していてくれる味方なんですよね。もちろん立場というものがあるのでどうこうできるわけではありませんが…。いつも「おいたわしや」という目でアランを見守ってくれていました。多分、最後にアランを一番必死に探したのも彼なのではないでしょうか…。

ハロルド役のたそ(天真みちるさん)、階段落ち素晴らしかった…!前回「落ちてケガをしてもいけないから控えめでしゃーなし」といった内容を書きましたが、さすが千秋楽!というくらい魅せてくれました。
いや~ほんとうにいけすかないオッサンですよ。素晴らしいです。

本編ラストもちょっと変わってましたよね。
宝塚では最後セリ上がって、ギムナジウムのキッズたちが中央に寄って歌ってたんですが、東京ではそんなことなくてセリが丸見えだったような…。これは個人的に宝塚Verの方が好きです! 

フィナーレも相変わらず素敵で(照明のハレーションによりゆきちゃんが真っ白人間になってしまうというちょっと個人的にツボってしまったところはありましたが)した…が!これには文句を言いたい!内容ではなく「カメラワーク」です。

メインとなる人物を映すのは当然のことです…が、もっと引いてほしい!折角あれだけ組子が頑張って踊っているし、キメポーズも顔じゃなくて全身映して!!と何度も思いました。
極めつけはデュエットダンス。これ二人の対決を映さないと意味ないから!まじで!なんでバラバラなの!自分は舞台を観たことあるからいいけど、ライビュだけだったらあのデュエットダンスのよさ全然伝わらない!!!
あそこだけでもいいからやり直してほしいくらいでした。悲しい。

そして千秋楽恒例の、退団者のご挨拶へ。
各生徒さんのご挨拶詳細は省きますが、皆さん素晴らしい挨拶で、うるっときてしまいました。特にナガさん(飛鳥裕さん)は…宝塚に人生を捧げているといっても過言ではない方でしたし、言葉にも重みがあります。
そして何より、会場の拍手の大きさがすごい。もちろんナガさんのファンの方も大勢いらっしゃっているでしょうが、それを盛大に送り出そうとする花組ファンの良さも同時に感じました。各組のファンの方に詳しいわけではないですが、花組ファンの方は情に厚そうなイメージです。

退団者のご挨拶が終わった後、こちらも恒例のトップスター、明日海りおちゃんのご挨拶。
彼女のご挨拶は内容としては的を射ていて、きちんと喋れば素晴らしいご挨拶になるはずなのに、どうやら多少ピントがズレてしまうようで、口から出てくるのはゆるくてへっぽこ、というその愛らしすぎるギャップがまた魅力なのですが、今回はさらにゆるぽこしていました。

また、お鼻を鳴らすほど感極まっていたり…彼女は泣きそうになっても観客の前ではぐっと堪えるようなタイプだと思っていますので、よほど大変だったんだと、そして思い入れが強い作品だったのだと改めて感じました。
…だからといって「もういいや」と思って辞めてほしくないです(本音)

エドガーとして生きてきて、千秋楽は精も根も尽き果てるほど力を出し切ったのでしょう、ご挨拶も空白の時間が何度もありました。
でもそこから出てくる言葉もまたゆるぽこで、劇場が温かい空気に包まれます。
もちろん「トップスター」としては、きちんとしたご挨拶が出来るほうが「格がある」と言われるのだと思います。
ですが、千秋楽という緊張している空間を和ませてくれる、幸せにしてくれる空気を出してくれる彼女のご挨拶が本当に大好きなので、このままでいてほしいです。
でも、ポーの一族ロスになる人に対して「どうにかしてください」はいかんと思うよ(笑)!

しかし、約3ヶ月という長い公演期間、大きなトラブルやケガなどもなく、精一杯走りきってくれたことは本当にファンとして安心しますし、嬉しく思います。しばらく休んで、ゆっくりと英気を養っていただきたいです、本当。

 

この作品が上演されている時に、ファンでよかった。
そう思わせてくれる作品でした。